つよい といわれた話

「先輩、なんでそんなに強いんですか?」

後輩に突然言われたこの言葉、その日から結構な頻度で言われるようになった。どうやらわたしは「強い」らしい。「腕っぷし」「力」という意味ではなく(そちらもかなり強いけれど)「精神的に」強いという意味のようだった。

確かに昔は人の目をとても気にしていたし、相手にどう思われているかが気になっていた。評価されることも怖かったし、その評価を気にしていた。悪口を言われると心が折れたし、ずっと落ち込んでいた。この時の私を「強くない」とするなら、たしかに。そういえば最近色んなことがあんまり気にならなくなったなあ……………。

そういう姿を見て「強い」と思ったのだと思う。言われてみればそうだ、どんな嫌味を言われようが3秒で切り替えられるようになったのだから、「強く」みえるのだろうな、と。

 

きっとわたしは「すき」なものに囲まれているから強くなったんだと思う。

わたしの信じたすきなものたちやすきなひとたちがわたしを肯定してくれる。それだけではなく、すきなひとやすきなことのことを考えている時間をとびきりしあわせだと感じられるからこそ、その時間をできるだけ長くとりたいと思うようになった。嫌なことや、辛いことを考える時間よりも、すきなひとやすきなことに使う時間をより長く。すきなひとを想いながら言葉を紡ぐことに重きを置きたいと思うようになってから、「自分に愛をもって接してくれない人」に何を言われても何を思われても平気になった。(嫌われる勇気 を見たことも大きかった。かなり影響を受けている!)

 

だって、あなたはわたしのことすきじゃないでしょ?わたしもすきじゃないから。

 

我ながら飄々としている。でもそういうしがらみは私の人生に必要のないものなんだと今は思う。

すきなひとのことを考えたいな、できるだけ。すきなひとの言葉を大切にしたいな、ずっと。そう思うようになったら、毎日とても幸せで、愛おしくて仕方ない瞬間がたくさん訪れる。

わたしはすきなものがたくさんあるタイプなので毎日ひっきりなしにわたしに「すき」がいろんな方向から愛を投げてくれる。まさに「すき」の渋滞を巻き起こすレベル。だから、わたしは強くなったのだと思う。「すき」がもたらしてくれるパワーは凄まじく大きい。

すきなものを好きだと言っている人の放つきらきら煌めくエネルギーがとてつもなく好きだ。好きなものについて話をする笑顔が、好きなものに触れている時の幸せそうな顔がこの上なく好きだから。「すき」があるひとは強いと思うんだよね。

だって、「すき」はおまもりだから。ずっとずっといちばんそばにいてくれるおまもり。

 

これからもわたしのまわりの「すき」を大切にして生きていきたいな。できるだけ多くの「すき」に囲まれながらその「すき」を抱きしめながら、私は強く、凛々しく、前を向いて歩いていきたい。

あなたのおかげで私は強くなれたよ、ありがとう。わたしのすきなひとたち。これからもどうぞよろしく。