Summer Vacationについて考えてみた

 

ようこそ、歌詞から紐解くsumikaの音楽の世界へ。(ゴリゴリにハードルを自分であげていくスタイル)

こんにちは、ゆこです。

 

まえがき

「Summer Vacationの世界を紐解いてみよう」というなんともざっくりとした主観1000%の記事となっております。楽曲がつくられた経緯や背景などから考えるのではなく歌詞から紐解くsumikaの音楽の世界という趣旨で進めていけたらいいなと。何度も言いますが主観1000%なので「私はこんな風にかんがえたよ~こんな風に思ったよ~」ということだけが書いてあります。

 

きっかけ

マイソウルメイト、そぱちゃん(なんかネーミングセンスがダサくてごめん)に「なにか一緒にやってみない?」と誘ってもらえたのがきっかけです。そぱちゃんとわたしがSummerVacationについてそれぞれ考察したことをべつべつの記事に書きあげます。いわゆる企画ブログだよ~コラボ企画!(ぱちぱち)相談したのはタイトルのみなのでそぱちゃんがどんなふうに記事を構成しているかも知りません。(テーマは一緒だけれど書く人がちがうってやつね)たのしみですね~~~!誘ってくれてめちゃくちゃ嬉しかった。そぱちゃんありがとう~~~~

すてきなそぱちゃんのブログはこちら。

 

handakuten-no-ha.hatenablog.com

 

ほいじゃ~~~やってみますぞ、「かんがえたみた」ブログ。スタート。例のごとく、めっちゃ長い。そして読みづらいかも。ごめんなさい。

 

Summer Vacation / sumika

 登場人物:2人 

「僕」こどもでもなくおとなでもない年齢 / このうたの主人公

「僕が思い浮かべるひと」たぶんおんなじくらいの年齢 

恋愛関係にあるわけではないけれど、そうなりかけているような、そんなふたりが出てくる歌だと思っています。こどもでもおとなでもない年齢、っていくつくらいでしょうね。そもそも、大人って何歳なんだろうね。とにかく、「大人」というワードがでてくるので、そういう書き方をしてみます。たぶん「僕」はこどもとおとなの狭間にいるのだと思うので。

 

この歌は「Summer Vacation」という女性の声から始まります。どちらかといえばあどけない声。回想なのか、はたまたリアルタイムなのか。

心地良い熱さ 残るアスファルト 灯る街灯は 夜を始めた

夏のうだるようなジリジリと照りつけてくる昼間の太陽が沈み始めた頃、すこしぬるいあたたかさが残るアスファルト。熱は少し残っているので完全には夜ではないのだけれど、街灯がぽつぽつ灯りはじめて辺りが暗くなる頃。夏なので、少し日没は遅いと考えて18時過ぎ?物語の始まりは「夜」でも、次のパートですこしずつ時間軸は昼に向かって遡っていきます。アスファルトの温度で夕刻を想像させるの好き)

心地良いはずさ 温いアイスティー 熱帯びたのは 君のせいだからさ

「温いアイスティー」という描写が、「最初は氷がたっぷり入っていて冷たかったアイスティーがぬるくなるくらいに話し込んでいた」という時間の経過を意図していて粋だなと唸る。そして、温いアイスティーが気にならないくらいに夢中で話しこんでいることが「心地良さ」を更に助長する。のに、熱帯びたのは君のせいだからさ。熱帯びたのは、「僕」の方でしょうか。

 で、ここでサビが挟まるのですが、ちょっとサビを飛ばして2番にいきます。

狂おしいはずさ 君は言ったんだ 

さっきの「心地良い」が「狂おしい」という形容詞に変わって、狂おしいとは「じっとしていられないようす、心の平均を失いそう、心が乱れる」という意味。とにもかくにも、いい意味でもわるい意味でとっても心がざわざわしているという描写。君は言った「んだ」なので、さっきの1番よりも更に時間軸は遡っていて、1番の最後の「熱帯びたのは 君のせい」の要因はこのあとのセリフなのでは…と予想します。(韻の踏み方がとても気持ち良い…!)

付き合ったらさ 「楽しいかもね」

 最初は付き合ったらさが僕のセリフで「楽しいかもね」が君のセリフなのかな、と思ったのだけれど、なんとなくその次の展開を考えるとやっぱり君が「付き合ったら楽しいかもしれないね」と何気なく言ったのであろう、と思いました。この「if」話ってすごく線引きが難しいというか、「いや、それってどういう意味?」っていう。付き合ったら「(今よりもっと)楽しいかもね」っていう意味だと思うのだけれど、「たとえ話じゃなくて本気で付き合ってって言ったらどんな顔するのかな」という迷いとか「居心地がいいって思っていたのは自分だけじゃなかったのか」という嬉しさとか、期待とか…そういうごちゃまぜの感情がむくむく溢れ出てくるような。いや~~~~~必殺思わせぶり。こういう何気ない一言に一喜一憂しちゃうんですよね。(ちなみに、付き合ったらさ「楽しいかもね」のところで健太さんがライブで不意にしゃがんでお客さんと目を合わせにいくターンがあります。即死してしまう)

 

狂おしいはずさ 温いアイスティー 飲めば帰るだろ 僕は飲めなかった

 飲み終わるとこの楽しいひと時は終わってしまう=夜まで一緒にいられる関係ではないと悟っているのかなと考えました。この、昼と夜の描写は何度も出てくるのだけれど、僕と君が会うのは昼の間だけで。一夜を共に過ごすだとか、夜を越えることは恋人同士の関係の描写によくあるような気がするのであえて、夜を過ごすことができないことを主張しているのはそういうことなのかな…と。だからこそ、答えを出すべきなのか。さっきの一言でゆらゆら揺れる心の描写があまりにも美しい。僕が飲めなくても、君が飲み終われば帰っちゃうんだろうな。なんだか、そういうところも、甘酸っぱい…

 

そしてさっき飛ばしたサビ。1番と2番の後に歌われるサビ。一か所以外は同じフレーズが並んでいます。

会いたい気持ちは 昼の陽溜まりに 落として忘れて ほら、また寂しい

会いたい気持ちは 昼の陽溜まりに 置き忘れたフリして ほら、また寂しいだけだ

「夜中ずっと考えてしまうから昼のひだまりにその”会いたい気持ち”は置いていく」けれど、その”置いていこう、忘れようとするフリ”がいちばん悲しくて寂しくてむなしい。わざと目をそらすような描写が、やけに痛くて。自分の気持ちを正直に打ち明けられないことも、一緒に過ごせないことも、会いたい気持ちがつのるのも、全部全部、この「ほら、また寂しいだけだ」に詰まっている気がする。「ほら、また」だから1回だけじゃないくらい、何回も何回も反芻しているのだろうなと。あと気軽に会いたいって言えない絶妙な距離感を予期させる描写。気持ちばかりが膨れ上がるけれどどうにもできないやるせなさは、なんとなく夏の夜のあのぬるい風に似ている。

 

会いたいって簡単に言ってしまってもしこの「心地良い関係」がなくなってしまったら「思っていたのと違う」って言われたら…愛おしくて大切だからこそ、大切にしたいからこそ、わざと「忘れたフリ」して、気持ちに蓋をするのかな。昼の陽溜まりってあたたかくてほんわかしてやさしくてぽかぽかしているあのイメージだから、あのあたたかさに混ぜてしまおう、このもやもやを。みたいな。

2番の「寂しい」が一か所だけ「愛しい」なんですよね、愛しいで(かなしい)とよませる。愛おしい、愛らしいと思う気持ちに相反するような言葉のかなしいをあてがうのは。

 

夜は優しく僕を包むよ 昼の僕より大人にさせてしまうよ

夕刻から夜に近づいてきた描写から「僕」がかなり長い時間歩いていたのを想像させる。それくらい物思いに耽りながら歩いていたのかなぁ、とかなんとか。

夜がおとななのだとしたら昼はこども。大人になりたいけれど、なりたくない、近づきたいけど、いまの心地よさを壊したくない、そういう揺れ動く感情がみえてきます。優しく包む、というのが包容力のようなもののように思えて、おとなへのあこがれも描いているような気がします。

 

大人になって つかず離れず 温いくらいの温度で僕ら

大人になって 後悔をして それを「あの頃」と割り切って懐かしむのかな

 「心地良い」関係のまま。温くなったアイスティーのように、熱くも冷たくもない真ん中の僕ら。離れることもくっつくこともなく絶妙な温度感でいることが「温いくらいの温度」なのだとしたら、この「後悔」はどちらになるんだろう。近づきすぎることなのか、何も言わぬまま離れてしまうことなのか。

何年も前の恋をふと思い出すとき脳内に愛おしいと思っていた声やそのときの情景やにおいを思い浮かべる、あのなんともいえない胸のざわめきに似ていて。あぁ、わたしも「あの頃」と割り切って懐かしんでいるのか、と自分の体験に重ね合わせてしまった。

 

SummerVacationは夏独特のぬるい風を体にふわりと纏いながら、夜道を歩く。昼の出来事を思い浮かべつつこれからのことを思い浮かべているような曲だなと思っていて。「僕」は飲みきれなかったぬるくなったアイスティーを片手に、どこまでも歩くのだと思う。星が出てくる時間に差し掛かっても。サウンドも、落ち着いたどちらかといえば「夜」の雰囲気を醸し出す感じ。たまに出てくる話し言葉の歌詞も、自分自身に問いかけているようなそんな雰囲気を助長させている気がしてとても素敵。

夏の終わりのあのすこしさみしい気持ちや、ぬるい風のにおいがしてきていいなぁといつも思います。「僕」がこれからの未来、どちらを選択しているのかは描かれていませんが、フェードアウトしながら終わっていくのが未来に含みを持たせているというか…。未来への繋がりを示唆しているような風に思えて面白いなと思うしね。もしかしたら、sumikaの別の楽曲の主人公のアザーストーリーだったりして?なんて考えるのも楽しい。妄想が捗ってしまうな…。

 

あと、夏の曲って海!太陽!っていうイメージが強くてお日様がさんさんと降り注ぐあの灼熱の夏の描写(いわゆる日焼け止めクリームのCM曲的な…)が一番初めに思いつくけれど、都会の夏の夜、そして夏が終わりかけている(夏休みの終わり)という楽曲のもつ独特のもの悲しさや切なさがいいなぁと思いました。夏の終わりのあのなんともいえないさみしさが聴こえてくるよう。都会の夏の夜、っていいよね。ドラマチックな展開はないけれど、この描写こそがリアル。日常ってこういう感じでしょう。わたしは片岡さんが描く揺れ動く感情の描写が、大好きです。

 

 

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あとがき

ということで、SummerVacationについてかんがえてみた。でした。

歌詞について考えることは多いのだけれど、ここまで時系列をなぞることがなかったのでとても楽しく魅力的な時間になりました。そして自分の読解力や創造力の欠如を思い知る。うう、語彙が欲しいぜ…もっと精進します。きっかけをくれたそぱちゃん本当にありがとう~!

冒頭にも書きましたがあくまで「わたしの感じ方・捉え方」なので、片岡さんやsumikaの皆さんがどんなイメージで描いたのかといういわゆる「正解」ではないアザーストーリーだと思っていただければ幸いです。皆さんの「SummerVacationについてかんがえてみた」をよろしければ聞かせてくださいね~!(私は、特にサビの解釈が聞きたいです…。)そしてSummerVacationはめちゃくちゃ素敵なすっばらしい曲だから、あの、えっと、聴いて。笑

さいごに。sumikaの「SummerVacation」は、こちら。MVも素敵だよ~!

www.youtube.com