フジロックでELLEGARDENと夢の続きをみた話

 

 

2019年7月26日 天気:雨  

 「山の気候って変わりやすいんだって」

その言葉通り、7月の苗場。雨が降ったりやんだり、小雨になったり大雨になったりを繰り返していた。ああ、これがフジロックなんだなとフジロックの洗礼を受けていた私。待ちに待ったELLEGARDENのライブの前、その日1番の滝のような豪雨に見舞われ「どこまでも雨女だ」と笑った。しかしその数十分後、空は真っ暗闇の中 突然雨を降らすのをやめてくれた。

 

どこまでもどこまでも、その日の記憶を色濃くするための演出なのではないかと思うくらいの、奇跡だった。

(そして後日、細美さんがバックヤードでてるてる坊主を作り、みんなで"雨がやみますように"と祈ってくださっていたと知った。……………どこまでも強くて優しい人達だなあ)

 

闇夜の中、照明がバンッとついたステージで恋焦がれていた4人が演奏しているという紛れもない事実は、それはそれはあまりにも美しくて、私はあの瞬間の胸の高鳴りを、ずっと忘れないだろうなと強く思う。

 

…とかなんとかポエマーおばさんの戯言を450文字くらい並べたけれど、とにかく、最高!の2文字に尽きるよ。楽しかったなあ…。もう2週間も前のことなのに、未だにあの70分間の残像が、残響が頭の隅に残っている。

記憶の限りの感想を残したいので頑張ります。上手く言葉にできるかはわからないけれど、わたしなりの愛をこめて。雑記です。

 

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ELLEGARDENを見るために「この会場のどこにそんなに人がいたんだろう?」と思うくらいの人がGREEN STAGEの周りにいた。私と妹はエルレ以外に特にお目当てのバンドもなく、本当に彼らの演奏を聴くだけのためにフジロックに来たようなものだったので(我ながらすごいなと思う) とにかく周りの治安が良くて、見やすい場所で見たいねと話し合い、最初の1.2曲目で場所を確定することにして前方にスタンバイ。

 

照明がついてみんなの歓声が聞こえて、聞き慣れた歌のイントロが鳴って…その瞬間の胸の高鳴り、高揚感は覚えているのだけれどもうそこから1.2曲目あたりの記憶があんまりない。大きなモニターには彼らの姿は映らずただひたすらに赤色バックに何かの映像が動き続けていたと思う。そんなレベル。でもただただ心臓のBPMはどんどん上がっていってあいみょんじゃないけど「190じゃんこれ」って思った。黙ります。

 

「夢みたいだけど、夢じゃないんだ」と何回も何回も思ったのは生まれて初めてで。ずっと会いたかった音に会えた時のこの言葉では言い表せない感動を噛み締めながら聴いたFire Cracker

かなり前の方で見ていたのだけれど、押しもあって音楽に集中するべく後方へ移動。全体が見渡せる丘の上から観ることにした。

 

Space Sonicを口ずさみながらの全力ダッシュ。贅沢すぎる。「え、やばいな。本物やん。」「やばいな!」「え、やばいな!」しか言えないほど興奮してしまったし、周りの人達がみんなそういう感じだった。語彙を失う人々。それくらいここにいる人達が待ち望んでいた日だったんだなあと思うと勝手にグッときてしまった。Space Sonicのダークな始まり方、サビで爆発するあの盛り上がり、自然と拳を突き上げてしまう衝動的な感じがたまらなかった。あとコーラスがとても美しくて「うわあ、本物やん…」と思わず言ってしまう。70分の中で何回「本物やん」と言ったのだろう。

 

そしてMissing 叫び倒す妹。(カラオケの18番)

高校生の私にとっては日本語詞の方が馴染みやすくて何度も何度も歌詞カードを追って口ずさみながら聴いたことが脳裏にふっとよぎった。自然と口ずさみながら聴いている自分がいて、自分で思う以上に彼らの音楽が自分の中に宿っていることに気づく。サビで拳を突き上げて飛び上がるお客さん、嬉しそうなステージの4人の顔。夢中になって音楽にのめり込んだあの頃の私たちみたい。無我夢中で周りのことなんて何も気にせず顔をくしゃくしゃに笑っていて、とってもいいなあと思った。(きっと私も同じ顔をしていたと思う)

改めて聴いて思ったんだけれどソーダの中の宝石 」っていうフレーズがとても素敵。あと、細美さんが描く世界はいつだって「僕達だけの秘密基地」「僕達の居場所」なんだなあと思う。「僕らの唄 口ずさめば」 

 

「こんばんは〜〜〜〜ELLEGARDENです!」

 

熱狂の渦ってこういうことだ、と思った。文字を読んでもピンと来なかったけれどあの歓声は明らかに熱狂の渦そのものだった。そして、ELLEGARDENなんだなあとやっぱり噛み締める。本当に帰ってきてくれたんだなあ。

 

その次、歌われたのは 高架線

「思うよりあなたはずっと強いからね」

細美さんがこのフレーズを歌った瞬間、泣くつもりなんて無かったのにぼろぼろ涙が零れてビックリした。ああ、そうか、年を重ねたんだなあ。「あなたはあなたが思うより、ずっと強いからね」どれだけ心強かっただろう、どれほど嬉しかっただろう。嬉しくて仕方なくて、分かってくれて嬉しくて、泣いた。何年も経つとこうやって感じ方も変わってくるんだなあ。昔聴いていた時からずっと好きだったけれど、その時とはまた違う感じ方で抱きしめられるのが嬉しい。泣きのエレキギター。美しかった。

「耳鳴りがやまないな 君の声がまだ聞こえるよ」好きだ〜〜…!

 

キラーチューンが飛び出しまくってそのたび身じろぎしながら聴いていたためHPがこの時点ですでに20パーセントくらいになった私。行こうぜ!!!とか煽っていた気がする。気がするだけかもしれないし妄想かもしれない。

 

そしてSupernova イントロが鳴った0.03秒後くらいにあがる歓声と野太い声。いいなぁ、みんな待ち望んでいたんだよね。モニターに映る4人もニコニコしながら歌ったり演奏したりしていたのが嬉しくて。わたしはリアルタイムで活動休止の頃のことを知っているわけじゃないけど、去年の「Supernovaから始まるライブ」にどれだけのひとが10年間の気持ちを爆発させたのかが分かったのは、この曲を聴いたときだった。間違いなく。「Supernovaから始まるライブ」は私たちと彼ら(しいていえば細美さん?)の約束だったんだもんなぁ、と思うとさらに感極まった。疾走感とハーモニーが心地よかったなぁ。サビにかけてエネルギーをため込んでいく感じがたまらなく格好いい!コーラスワーク最強過ぎない?

 

Supernovaの余韻のままPizza Manにバトンがつながれてさらに盛り上がる会場。熱狂の渦の中に紛れもなく私もいた。リズミカルな曲だから自然とみんなが体を横に揺らして、サビで声をあげて楽しそうに聴いているのがよかったなぁ。「Pepperoni Quattro!」ってみんなで言った気がする。あれ、歌ってなかったっけ?とにかくそれくらい盛り上がっていた。(ちなみに、私はどこでみんなでどういう風にシンガロングするかという知識がなかったのでノリでやった。たぶんそういうところだったんだと思う。)

次は何の曲だろうなぁと思っていたら 風の日 !!!!!!!

高校生の私は歌詞の意味をよく考えたこともなかったのだけれど、改めて聴くと「めっっっっっっちゃ歌詞が染みる!」と感極まってまた泣く。ジャンプしながらめっちゃ泣く。”本能のままに突き進めばいいだろ、人間そんなもんなんだからさ、あんまり気負うなよ、ありのままでいけ。"と言われているような気になって。堪えていたものが全部溢れ出した。

なんでわかってくれるんだろう、不思議だなぁ。

「泣いたことのない君は とても弱い人だから 誰かに見られて優しくされると 崩れそうになるけど」 

え、めっちゃ染みるよね。細美さんが日本語歌詞を歌う時のまっすぐはっきりくっきり発音するところが好きで、だからこそ歌詞がばんばん心に突き刺さった。ジャンプしながら泣くなんて人生初めての経験だった。でも一生忘れられない。”風の日には飛ぼうとしてみる” …なんてチャーミングなんだ。でも、そういう大人でありたいね、いつだってありのまま、自分の思うがままに。イントロの一定で刻まれているリズムと急に爆発する演奏がたまらなく好き。うぶさんのエレキのリフが全部格好いいんだわ…。

 

このあたりMCがあったかなぁ~?「こんばんはELLEGARDENです!」

ひとりひとりの声もここで初めて聴けた!本物だ!とまた沸く。

高田さんがめちゃくちゃ真面目に「足下が悪い中お越しいただきありがとうございます~」みたいなこと言って沸く会場。ずぶ濡れだったけど、雨やみましたね、と心の中で会話する私(さすがに気持ち悪い)

で、次がうぶさん。「まさかこのメンバーでこのステージに戻ってこれるとは思わなかった。」って言ってらしたのが印象的だったなぁ。おかえりなさいと心の中でつぶやく私(もう流してもらって大丈夫です)

最後が高橋さん。高橋さんめちゃくちゃ素敵な笑顔でドラム叩いてらしてすごく素敵だったんだ~!!!!「こんっっっな絶景をまたみられるなんて!」って言ってらした。また会いましょうねこの絶景を見ましょうねと話しかける私(もうやめて)

3人とも言葉は少なくても、すごく感慨深そうだったし何より楽しそうだったのに勝手に嬉しくなってしまった。何回も目を合わせて笑うんだよ~最高だよね。

 

フジロック、11年ぶりに帰ってきました!初めての人も、久しぶりの人も。深刻なけがだけはしないように楽しんで帰ってください」

 

深刻なけが、っていう言い方がいいよね。あとは好きに暴れろと。

ちなみに、私はここでエルレが11年ぶりにフジロックに出演することを知った。明らかにいろいろなことに疎すぎるだろう。来てよかったな、と強く思った。どこでもエルレが見られたらそれでいいや、じゃなくて。この、フジロックの、この、GREEN STAGEで見られてよかったなってその瞬間に思って。それまでの皆さんの感慨深そうな顔も楽しそうな顔も言葉も、全部つながった。その場所にしかないかけがえのない思い出を共有させてもらえた気持ちになってうれしかった。

 

次、なにかなぁ~ってわくわくしていたら聴きなれない音。イントロがアレンジされているのかあなんてのんびり思っていたら

「Summer time is gone I miss it so much」

突然何百回も聴いたであろうフレーズが聴こえて時が止まった。ずっと恋焦がれていたThe Autumn Song だった。「え、やばいねんけど」「うそやろ」「まって心の準備が」と焦り散らして泣く。…なんだ、泣いてばっかりだな。でも、人間はうれしくても泣く。すごくすごくうれしいから笑いながら泣く。自分にびっくりするくらいとめどなく涙が流れた。なんですきなの?と聞かれてもうまく答えられないのだけれど、この夏の終わりの焦燥感と疾走感、切なさと物悲しさと歌詞のギャップがずっと好きで。いつか聴きたいなぁ、と思っていた。まさか歌ってくれると思わなくて、びっくりしすぎて何の記憶もない。最初のワンフレーズのことだけは鮮明に覚えているけれどそれ以外は何も残っていないのが悔やまれるので次の機会には冷静に聴きたいな。いや~~~~~嬉しかった。まだ夏は始まったばっかりだったけれど、夏が終わった気持ちです。

The Autumn Song 歌った…という気持ちでずっと呆然と立ち尽くしていたので、Middle Of Nowhereの記憶があやふや。ごめん、すきやのに。めちゃくちゃすきやのに。真っ暗闇の夜に溶けていくみ美しいメロディと声だなぁと思ったことだけはやけに覚えている。

でここで金星 まわりのひとがほぼ全員大きな声で歌っていたことが印象的で、しかもみんな拳を突き上げてちょっぴり泣きそうな顔で嬉しそうに噛みしめて歌う光景がとてもうつくしかったなぁ。

「ねぇ この夜が終わる頃 僕らも消えていく」 
ちょっぴり切なくなるんだけど、みんなで空を見上げて歌うのは僕らのアンセムだ、これが僕たちの歌だ、と胸を張っているような感覚がして不思議だった。まっすぐであれと願ってくれるメッセージがすきだ。ずーっとリフレインするフレーズが好きだし、ずっと同じリズムで刻んでいるギターもいいなぁ。

 

でこのあたりでMC。

 

「いやぁ~~~~フジロックありがとう。うぶや高橋が「もうここに立てる日が来るとは思ってなかった」とかこんな光景が見れると思ってなかったとか言ってけど、俺はさ、フジロックに11年前。休止する前に出たんだけど、このステージに立てる人だけ通れる小さい橋があんだよ。その橋を渡って帰る時、ぜってえ自分のバンドでまたこの橋を渡ってステージに立つって10年間毎日思ってきたから…なんていうか、夢が叶ったんだ。

そんな物語、お前らにとってはどうでもいいかもしんねえけど、俺にとってはやっぱりめちゃくちゃうれしいんだよな。」

「このステージに立てることが決まった時から人生最高の日が更新されるんだなって思っててさ、演奏している時間、1秒たりとも逃さず噛み締めようって決めたのに、俺は迷っている。飲むか、飲まないか。笑 (と言いつつビールを飲む)」

 

すごくしあわせそうに話していたのが印象的で。すごくすごく、すきだった。10年間の細美さんの想いだけは知っているけれど、(毎年9月にブログを更新してくれる優しさと約束の心強さ)彼らの物語の先にいることができたのだがなんだか不思議で、一緒に見た景色があるわけではないしその光景を懐かしむことができなくても、その物語に色をつける要素の一つになることができた気がして、嬉しくなった。

細美さんの話し方をそのまままるごと覚えてきたかったんだけどどうにも無理だったから脚色してしまっているかもしれないね…。すごくすごくすごーくしあわせそうだったのは間違いない。

 

このあたりの記憶が曖昧なんだけれど、泣いている場合ではない!ここからは、はしゃぐぞ!と気合を入れなおして待ち構えた次の曲がRedHot 

もうはしゃぎまくったよね…!体が勝手に動き出すんだもん。死ぬほど聴いたししぬほど歌ったRedHot。2番のAメロの最後のドラムのめちゃくちゃ格好いいフレーズが好きでずっとエアドラムしちゃうくらいに盛り上がった。最後の大サビ前の爆発力も、たまらなくて疾走感にいつだってドキドキする。

 

でここで、ジターバグ。好き。

フジロックに行く前にジターバグの中にある歌詞をタイトルにしたブログを書いた。ジターバグの歌詞はどこが好きとかそういうレベルではなく全部好きで私の原点だと思うので、歌ってくれるとは思っていたけれどやっぱり歌ってくれると嬉しくてうれしくて仕方なかった。

「いつだって君の声が この暗闇を切り裂いてくれてる」

何回この言葉に救われただろう。なんで私の気持ちがわかるんだろうって。どうにも悲しくて仕方ないときに、この先の見えないもどかしさでいっぱいの憂鬱な暗闇を切り裂いてくれるのは、君の声、すなわち音楽だった。勝手に「君」に「音楽」と当てはめて聴いていた。いつだって、音楽がわたしの暗闇を切り裂いてくれたんだ。それを明確に言葉にしてくれたこの歌はやっぱりわたしとっては特別なんだよなぁ。きらきらした宝石みたいな歌なんだよなぁ。

 

No.13

イントロが鳴った瞬間「え、嘘やろ」って声に出してしまうくらいまさかだった。それこそ、フジロックに行く前に書いたブログに「9月9日じゃないけど、晴天、の下聴きたい音楽がある」って書いていたの。マジか、うたってくれるとは。と頭を抱えた。雨は止んだ、まさに「July 26th It's a Sunny day」だった。雨が止んだのは、演出だったのではないかと思うくらいあまりにもシチュエーションがぴったりで惚れ惚れしてしまった。

もうNo,13で使い果たした体力を振り絞って聴いたSalamander

とにかく暗闇の中で聴くSalamanderの雰囲気にピッタリな格好よさ…。

そして 
「立ち止まって見上げた空に 今年初の星が流れる なんとなくこれでいいと思った」 あまりにもシチュエーションに合いすぎていて。苦しかった。恋に落ちた少女の気持ちだった。
空を見上げながら歌う横顔も、虹色の照明も、きれいだったなぁ。ジェスチャーがすごくすきだったんだけれど、わすれちゃった。なんだったんだろう。「虹」のときになにかしていたんだよなぁ。

 

「いやぁ~~~~楽しいなぁ。ありがと。前までは、再始動したバンドが再始動してから仲良くなるとか茶番だと思ってたんだけど、あのね、今俺ら超仲良いんだわ。めちゃくちゃ仲良い。茶番って笑ってたのにな。

大した人生だなあって思うよ。想像もしていなかったことが今、起きてる。10年…自分でわかるくらいに変わった。みんなも自分では気づかなくてもきっと変わっていると思うんだよな。だからきっとこれからの人生でも予想だにしなかったことがまだまだ起きるはず。」

 

「お知らせがあります…あのね、ケミカルがもう出てきます。(笑)

時代が変わればフロアの雰囲気も変わんだけどさ、…でも、俺たちのライブは日本一シンガロングが凄かった気がすんだけどなぁ…?」

 

って煽られてからのMake A Wish !!!!!! すさまじいシンガロングだった。後ろの方で見ていたのに、大人見の人なんてひとりもいないの。

恥ずかしそうな人もいない。ただただ、目の前にいる4人に届け!!エルレが好きなことも、ずっと待ち望んでいたことも、という気持ちでみんなが死ぬほど大きな声で歌う姿があんまりにも素敵で、私も負けじと声を張り上げた。知らないお兄さんたちと目があって、一緒に歌う感じ。あぁ、これだ。私の好きな音楽の魔法。

心地よい風が吹いて、だんだん真っ暗になってきて明らかに野外フェスのロケーションなのに、まるでライブハウスにいるみたいだった。

あの不思議な感覚はずっと忘れられそうにない。すげーな、って顔して笑ってほしくてみんなで歌ったの、なんだかこどもみたいでよかった。あのころライブキッズだったこどもだったわたしたちが大人になって彼らの音楽にまた会いに来れた歓びを噛みしめながら聴いた。

私たちのアンセムなんだよ、間違いなく。

 

そして最後を締めくくるのはスターフィッシュ  

この先の未来がずっとずっと続いていくことを約束してくれるような、そんな締めくくりだった。

 

 

70分間。青春の詰まった70分間だった。イントロが鳴った瞬間にあがる歓声、鳴り止まない拍手。音をたいせつに抱きしめるように聴くひとたち。みんながひとつひとつのじぶんの思い出を抱きしめながら、その情景を思い出しながら聴いているのが分かって。よかったなぁ、と言いながら肩を組むおにいさんたち。静かに聞き入るお姉さん。はじめて聴いたけどめっちゃよかったと言っていた女の子。みんなみんなそれぞれにいろんな想いを抱きしめながらすごした70分間だったのだと思うと感慨深くて、あぁ、こんなに素敵なこの光景をずっとずっと忘れたくないなぁと思った。


そんな瞬間、細美さんが空を見上げて「神様、ありがとう」なんていうもんだからわたしは、また堪えていた涙をひっこめることができなかった。あぁ、きょうはうれしい涙におぼれた日だったなあなんて笑い泣きしながらわたしも空を見上げて「神様、ありがとう」って思った。

 

虹で歌っていた「積み重ねた思い出とか音を立てて崩れたって 僕らはまた今日を記憶に変えていける」このフレーズがすべてだと思った。忘れたくないし、きっと忘れられない。何回だって私はこの日のことを記憶に変えていくよ。

 

 

 「ガキのときには思いつかなかったような夢を一緒にまた見ましょう」

 

もっともっと早くにライブハウスに行けばよかった、とずっと後悔していた8年間の気持ちをすべて吹き飛ばしてくれたのはこの言葉だったよ、好きしかないでしょ。格好いいでしょ。知ってる。

一緒に見てきた景色を共有できなくったって、あの頃には思いつかなかったような面白いことをしようぜ。そんな夢を見ようぜ。って「これから」を作っていけるしあわせを示唆してくれる。なんて粋でなんて素敵な殺し文句なのだと思わず頭を抱えたし、プロポーズ並のど直球な150kmストレートだったから照れてしまった。嬉しいなぁ、この先の約束をしてくれることが。

先日のラジオで、「すっごく待たせちゃったけど、ちゃんと約束を果たせてよかった」と言っていたし「未来って何があるかわからなくて、見えないから不安なんだよね。だから安易に約束って軽々しくしちゃダメだと思ったし、破るのも駄目だと思った」というようなことを言っていたのが印象的で。細美さんはよく「確約はできないけど」とか「絶対とはいえないけど」って言うなぁって思っていたのがここに繋がった。

そんな人に「これからも一緒に夢の続きを見ましょう」なんて言われてしまったら、もう恋に落ちるしか方法が見つからないんだけれど、私には。すきだなぁ。今だから、みつけられる夢があることも、今だから、みつけられる宝石があることも。

彼らの音楽をまだまだ聴いていたい、これからを一緒に作っていきたい。そんなことを思った夜でした。おかえり、が言えてよかったなぁ。

 

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8000文字になってしまった。私の日記を読んでくれた方がいれば、ありがとうございます。(笑)

そうそうMCの部分は、メモをとりながら聞いたわけではないのでうろ覚えなのでこういうニュアンスだったんだなぁくらいに思っていただければ嬉しいです。おしまい。